物語の舞台は終戦から数年過ぎた日本。主人公は高名な初老の画家。 焼け跡から徐々に復興の姿を見せていく街で、隠居老人の一見平和な日常生活が描かれていく。 愛すべき孫の訪問、なじみの飲み屋のママとの世間話、戦前からの旧友との邂逅(かいこう)…。 あるとき娘の縁談が持ち上がり、そこから周囲の視線の変化に気づき始める…。 確固たる決意で国のために尽くしてきた自分が、何故非難されなければならないのか。 その一方で、過去の影に滑稽なほどおびえる自分の弱さも認識していく…。
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